めんどくさいことはやらないという大原則
どんなに良いサービスを考えたところで、
使う人にとってそれがめんどくさければ使われない。
当たり前といえばそれまでの話なのだが、
世の中に浸透していないのも事実だ。
キャッシュレスのポイント還元で、
SUICAなどの決済サービスは
ポイント還元するための手続きを求めている。
もう、これだけでもめんどくさい。
キャッシュレス決済のポイント還元で「関心はあるが何もしていない」が34.7%
クレジットカードを使えば済むのであれば、
それで払ったほうが楽だ。
使う人を基準に考えないとサービスはコケる
これまた当たり前のことを書いているのだけれども、
経済産業省や国税庁が考え出すサービスは
えらくめんどくさいのが多い。
代表的なのが、e-taxで、
オンラインで納税するのに本人認証したり、
昔はICカードリーダーを用意したりと
めんどくさいことこの上ない。
税金を払うのにだ。
アマゾンで払えるようにしてくれてもいいぐらいのものなのに、
どういうわけだか、払うための敷居を高くしている。
私の税金を勝手に払ってくれる人がいたら、
よろこんでやってほしいぐらいなのに。
これは、どういうロジックでこうなってしまったのか考えてみたのだが。
単純に、自分の机の前で延々と考えていると、
お客さんの視点から離れていって、
自分の組織の中の独善的な考えだけで
色んなものを組み立てていくようになる。
なおかつたちの悪いことに、国税庁等だと、
使う人はほかに選択肢がないものだから、
それを使わざるを得ないという状況に置かれる。
たぶん、Suicaについても、
似たような轍の上を走っているのだろうと思われる。
今回の増税のポイントは、計算のしやすさ
消費税は徐々に税率を上げていったのだが、
いままでの税率と決定的に違うのは、
その計算のしやすさだと思う。
どんな金額であっても、下一桁をはらってしまえば、
支払う税額がすぐにわかる税率というのは、
今まで出なかった。
支払う税額がはっきりわかって喜ぶ人はいないが、
それで買い渋る人は結構いると考える。
いままでの8%で計算が面倒だからと、
概算で買い物していたものが、
そうでなくなるのだから
そこも大きな違いになるだろう。
わかりやすさは正義
税率10%はわかりやすい。
計算もしやすいし、そもそも計算という方法を使わなくても、
下一桁を取り払うという処理だけで
税額がわかってしまうのだから、
これほどわかりやすい税率はない。
仮に9%や11%ならば、概算の感覚が続いていただろううが
(少なくとも私は)
世の中的には、こんなにわかりやすい税率はない。
ということは、消費は前回の増税に比べて、
もっと冷え込むことになると考えている。
一般市民の生活は、大きく成長したようには思えてない。
それなのに、税金であったり社会保障の負担は増えていて、
源泉徴収だけでも結構な金額を持っていかれている。
その上に支払う税金がはっきりわかる税率となれば、
買い物をする理由というのは、ほぼないに等しくなると考える。
わかりやすい税率、これこそ消費の冷え込みを加速させる
痛恨の一撃になるのではないかと考えている。